予防Preventive Dentistry

治療終了 ここからが本当のスタートです

治療が終わればおしまいではありません
お口の中の状態にあわせた予防プログラムを考え
定期的にメンテナンスをすることで
患者さまの健康を支えるお手伝いをいたします

 日本人の口腔内状況

皆さんの歯は何本ありますか?歯は、年齢を重ねるとだんだん抜けてしまうと思っていませんか?
一人あたりの残っている歯の数(2016厚労省より)
上の図でわかるとおり、たしかに年齢があがると残っている歯の数は減っていきます。

歯が抜けてしまう原因

私たちは、食事をとることで生命を維持しています。その食事に欠かせないのが「歯」。ところが、平均寿命は延びているのに、歯の寿命はあまり長くありません。
歯の抜ける原因は次の3つがほとんどを占めています。
1. 歯周病
2. むし歯
3. 破折(外傷やむし歯治療の影響で歯やその根元が折れてしまうこと)

歯がなくなるのは老化のせいではありません

歯がなくなるのは、加齢によるものではなく、原因があるのです。
歯周病:自覚症状が表れてから受診する方がほとんどのため、来院された時には重症化し、手遅れとなって抜歯に至る
むし歯:むし歯になる原因を放置したまま数回同じ個所の治療を繰り返すことで、しまいには神経まで到達し抜歯に至る
破折:TCH(歯の接触癖)や歯の根元のむし歯、精度の低い被せ物などが原因で強い力がかかり歯の根っこが折れたために抜歯に至る
お口の中の状態をできるだけコントロールして、歯周病やむし歯になりにくくするようバイオフィルム(細菌)の定期的除去をしていくこと、つまり定期的なメインテナンスケアが、歯を守るために大切なのです。

定期検診は歯を守る

現在、日本の80歳以上の方のお口の中に残っている歯の本数は、平均15.3本です。それに対し、スウェーデンでは平均20本、アメリカでは17本です。この違いはどこから生まれるのでしょう。
実は、欧米諸国と日本では歯科定期検診の受診率に大きな差があります。
歯の予防の考え方が進んでいるスウェーデンでは、歯科定期検診の受診率は全国民の80%以上です。

「歯医者さんには歯が痛くなってから行けばよい」
あなたはこのように思っていませんか。

「予防診療」とは、これまでの「痛くなったら治療する」という考え方とは異なる発想です。
「お口の健康を維持する」という歯科スタイルのことです。

私の経験では、定期的に受診される方には、虫歯が大きく進んだり、歯周病がみるみる進んだりするケースはほとんどみられません。

定期的な受診、プロフェッショナルケア、ホームケアなどについて、十分にご理解いただき、メンテナンスケアを行うことによって、虫歯や歯周病とは、ほぼ縁のない生活を送ることができるのです。

欧米では何十年も前から予防への意識が浸透しています。
そのため、お年寄りの残存歯数が、日本に比べてはるかに高くなっています。

虫歯・歯周病の発症を未然に食い止め、お口の中をより健康で快適な状態のまま維持していく。これがメンテナンスの目的です。

メンテナンスに通うメリット

  • メリット
    お口の中トラブルを未然に防ぐ
    むし歯も歯周病も、早期発見・進行抑制が大切。定期的にチェックを行うことでむし歯や歯周病の予防になり、大切な歯をいつまでも健康的な状態で維持できます。
  • メリット
    治療の痛み、費用を低減できる
    症状がひどくなってから治療すると、痛みが伴います。費用や期間もかさみます。しかし予防診療では、何かあっても早期発見ができ、痛みはもちろん費用も大きく低減できます。
  • メリット
    お口の中がスッキリする
    予防診療では、歯についた汚れをピカピカ、ツルツルに落とします。もちろん、痛みはありません。嫌なドリルの音もしません。気持ちよくて眠ってしまう人もたくさんいるほど。実際、サロン感覚で通う方もいます。
他にも
他にも、

「治療をしたはずの歯が、何度も虫歯になってしまう」という方
「ブラッシングをしているはずなのに、虫歯になりやすい」という方

ぜひ一度ご相談ください。
治療によって歯を削れば、その分だけ歯はダメージを受けます。
さらに同じ歯に繰り返し治療を行うことで、その歯を失う確率も高くなります。
歯を失うと、残りの歯の負担が増えることになり、それが次の歯を失う原因にもなるのです。

当クリニックの予防診療メニュー

4か月~半年に一度の間隔での定期的受診をお勧めしています

私たちは、4か月~半年を一つの目安と考えております。
お口の中の状態、あるいはお仕事その他の状況により、受診の間隔を調整します。
無理なくいらしていただくことをいちばんに考えておりますので、何なりとおっしゃってください。
例えば、高級車に乗っていてもメインテナンスを怠れば車はボロボロになってしまいますよね?
「自費治療での質のよいつめもの・かぶせものは、メインテナンス不要」と考えている方は多くい らっしゃいます。
しかし、車と同じで、質のよい材料でも、メインテナンスを怠れば、すぐに使えなくなってしまうのです。
保険のものでも、しっかりメインテナンスをすれば、それなりに長持ちします。
歯は一生つかうもの。
歯を長く愛用していただくお手伝いを、私たちにさせていただきたいと思います。

プロフェッショナルケアとホームケアについて

プロフェッショナルケアは、歯医者さんで専門家の手によって行われるケアを言います。 スケーリング&ルートプレーニング、PMTC、フッ素塗布がそれにあたります。 ホームケアは、ご家庭で患者さまご自身が行っていただくケアを言います。 歯ブラシや歯間ブラシ、フロスを使ってのケア、フッ素やキシリトール入り用品の使用などが それにあたります。

スケーリング&ルートプレーニング

  • スケーリング&ルートプレーニング1
  • スケーリング&ルートプレーニング2
「スケーリング」とは、歯肉や歯周ポケットから歯垢や歯石などを除去する治療法です。超音波スケーラーなどを使用して、少ない痛みで歯石まで簡単に除去できます。 歯石などを除去した後の歯根の表面は、ザラザラしています。そのままでは、歯垢がつきやすく、歯周病や虫歯になるリスクが高まります。そこで、スケーリングのあと「ルートプレーニング」を行い、歯根の表面を滑らかにしておきます。

PMTC

PMTC
「PMTC」とは「プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング」の略で、専門家による専門器具を用いた歯のクリーニングを指します。専門器具を用いて、ご家庭でのケアでは除去しきれない歯の表面の着色や汚れを、徹底的に研磨・清掃する治療法です。

フッ素塗布

歯や骨にとってよい影響を与えることで知られる「フッ素」を、歯に塗布する治療法です。
フッ素は歯に対する作用と、細菌に対する作用があります。

歯に対しては、
・石灰化を促す
・酸に強いフルオロアパタイトを生成する
・エナメル質の結晶性を向上させる

などの作用があり、結果としてエナメル質の強化と耐酸性向上の効果があります。
また、細菌に対しては

・細菌の活動を抑制させる
・細菌の酵素作用を抑制させる

などの作用があるため、細菌の酸の発生を抑制する効果があります。

保険診療では3~4か月に一度のフッ素塗布が推奨されています
フッ素は副作用も少なく、虫歯の抑制効果が高い薬剤です。
しかし、適切な食生活やブラッシングなどが実施されていなければ、フッ素塗布の効果はあまりありません。

ブラッシング指導

「歯磨きしているのに虫歯になってしまう」のはなぜでしょう?
それはご自身にあった方法でブラッシングが行われていないからです。

染色液で汚れが落ちているかチェックすると、意外に磨き残しが多く見られる場合があります。
磨きグセがあったり、奥歯のほうにしっかりブラシが届いていなかったり、これでは虫歯が進行してしまいます。

毎日のブラッシングは、虫歯や歯周病を防ぐためにとても重要な意味を持っています。
ただし、適切な方法でブラッシングできなければ、磨き残しが原因となって虫歯や歯周病になってしまうことも考えられるのです。

また、磨きすぎたために、歯の表面を削ってしまい、それが虫歯を誘発することもあります

大人になってから歯の磨き方についてのチェックを受けるのは、恥ずかしかったり面倒だったりしますが、大切な歯の健康を守るためにも、私たちは、患者さまの行いやすい方法を、患者さまとともに作り上げていきたいと思っています。

よくある質問

メインテナンスは保険がききますか
基本検査やPMTCなどは保険診療が認められております。一部保険診療が認められていないものもありますが、事前に内容や金額をご説明し、ご納得いただいてから施術いたします。定期的に通院いただくことで、保険診療で十分にメインテナンスが可能です。
定期検診は何ヶ月ごとがいいのですか
成人の方で3~4か月、お子さまの場合6か月を目安にしております。お口の中の状態によっては、もっと頻繁に通っていただくこともございますし、間隔を明けてよい場合もございます。お仕事の繁忙期や部活の大会など、日常生活にご負担のないよう、次回のご予約については都度相談させていただいております。
エアフローもしてほしい
エアフローは、自費診療となります。(1回3,000円 税)
さっぱりすると好評ですので、ご希望の方には施術いたします。ご予約の際、事前にお申し付けください。